Three Months Journey.

アニメとか漫画とか小説とか、好きなものについて書きます

くすく的2020年、今年の10曲

みなさんご無沙汰しております。年の瀬ですがいかがお過ごしでしょうか。みなさんが今これを読んでいると言うことは僕はどうにか年内にこの記事が投稿できているということだと思います。投稿できていなかったらこの文は消えているはずなので。

去年はサボってしまったので今年こそはと、今年出会った素晴らしい楽曲からもっと世に知らしめたい10曲を選んで紹介していく記事をやっています。
御託を長々と描こうとしてもブログがエタるだけなので早速1曲目行きたいと思います。

 

 

1. アカシア BUMP OF CHICKEN

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《ゴールはきっとまだだけど
 もう死ぬまでいたい場所にいる

 隣で 君の側で 魂がここだよって叫ぶ》

わかり切っていたとは思いますが、今年僕にとって一番印象に残った曲といえば間違いなくこの曲です。
僕が一番大好きで心奪われているアーティストであるBUMPが、同じく僕の人生にいつだって寄り添ってきたポケモンの楽曲を手掛けたという事実、いまだにちょっと何が起きてるのかわからないぐらいの衝撃でした。ここ数年で一番幸福な出来事といっても過言ではありません。まぁBUMPに関してはここ数年で一番不幸なことも同時に起きてしまったのが今年なのですが…………、
BUMPはタイアップ曲を作る時、自分たちが普段描いていることと、コラボ先が抱えている要素を照らし合わせて、それが重なり合う部分を楽曲として出力をするという作り方をしています。
なのでBUMPが書き下ろす楽曲はBUMPの曲でありながらも、コラボ先だけを象徴する楽曲にも同時になりうるのです。作曲者の中では提供先の世界感を表現するためにその作品の『描きたい物』を描くというやり方をしている人も多くいます。しかし、BUMPのように『重なる部分』を出力することによってどちらか一方のコンテンツしかしらない人間にも十分に伝わる曲になるのです。
例えば、ポケモンに一切触れたことのない人間にとってはこの曲は純粋に今までのBUMP流れの上に自然に乗る新曲であり、BUMPを一度も聴いたことのない人間には、この曲は紛れもない不純なものが一切含まれていないポケモンの曲になります。そしてその二つが両立できるのです。
ポケモンが描いてきた景色の中で同時に【BUMPも描いてきた景色】でないと、藤原は楽曲の中に取り入れません。
《君の一歩は 僕より遠い 間違いなく君の凄いところ
 足跡は 僕の方が多い 間違いなく僕の凄いところ》
という歌詞は、ポケモンに触れてきた人間にとってはサトシとピカチュウであったり、自分とパートナーのポケモンの映像を思い浮かべますが、BUMPのファンにとっても今までBUMPがずっと描いてきた君と僕という概念の地続きなのです。
《いつか君を見つけた時に 君に僕も見つけてもらったんだな
 今 目が合えば笑うだけさ "言葉の外側"で》
という歌詞も同じ言葉を喋れないポケモンとの絆とも言葉にしなくても伝わる人間同士の絆ともどちらにも取れるようになっています。
そのように提供先に真摯にに、でもBUMPであるという土台は絶対に崩さない書き下ろしに対するスタンスは僕がBUMPがめちゃくちゃ好きな理由の一つです。
BUMPとポケモン、その境界線が溶け合ってできた曲、そりゃ、両方が好きな人にとってはとんでもない衝撃でした。
是非是非、そんなことも意識してアカシアを聴いていただけるとまた楽しめると思います。

 

 

2. 盗作 ヨルシカ


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《「音楽の切っ掛けは何だっけ。
 父の持つレコードだったかな。
 音を聞くことは気持ちがいい。
 聞くだけなら努力もいらない。

 前置きはいいから話そう。
 ある時、思い付いたんだ。
 この歌が僕のものになれば、この穴は埋まるだろうか。

 だから、僕は盗んだ」》

二曲目はこの曲、ヨルシカの今年の夏にリリースされた『盗作』というアルバムの表題曲です。衝撃的なタイトルだと僕は感じました。
この曲の主人公は他人の楽曲を意図的にトレースすることによって名曲と称される楽曲を作り続ける男です。

俺は泥棒である。
往古来今、多様な泥棒が居るが、俺は奴等とは少し違う。
金を盗む訳では無い。骨董品宝石その他価値ある美術の類にも、とんと興味が無い。
俺は、音を盗む泥棒である。

それはメロディかもしれない。装飾音かもしれない。詩かもしれない。コード、リズムトラック、楽器の編成や音の嗜好なのかもしれない。また、何も盗んでいないのかもしれない。この音楽達からそれを見つけるのもいい。糾弾することも許される。
客観的な事実だけなら、現代の音楽作品は一つ残らず全てが盗作だ。意図的か非意図的かなど心持ちでしかない。メロディのパターンもコード進行も、とうの昔に出尽くしている。

それでも、作品の価値は他者からの評価に依存しない。盗んだ、盗んでないなどはただの情報でしかない。本当の価値はそこにない。ただ一聴して、一見して美しいと思った感覚だけが、君の人生にとっての、その作品の価値を決める。
「盗作品」が作品足り得ないなど、誰が決めたのだろう。
俺は泥棒である。

原曲MV詳細分より引用


実際にこの楽曲のバックに流れているピアノフレーズにはサティジムノペディ 第1番の有名すぎるフレーズがそのまま流用されています。
ここで言う現代の音楽作品は一つ残らず全てが盗作だ】という言葉。音楽を日常的に作る人間にとってこれは当たり前の価値観なのですが、この作品の恐ろしい部分は、それ自体をコンセプトにし、世間に対して発表したことです。
オマージュと盗作は客観的に見れば同じ行為です。境界線を作っているのはその心持ちでしかありません。
世間で流行ってる、求められているメロディー、リズム、語感、そして雰囲気。
そういうものをリサーチして、解析して、それを元に作られた音楽をヨルシカやその他ソングライターたちも自分たちの曲として発表し、そして世間から評価されます。
それは当たり前であり、同時にわざわざ言う必要のないことでした
でもヨルシカは今このタイミングでそれをアルバムコンセプトとして打ち出してきた。
良い悪いでも、正しい間違いでもなく、世の中で曖昧になっている価値観を一度ぶっ壊すためにアルバムを作ったのではないでしょうか。
自分も音楽を作るものとして非常にこの一枚には痺れました。
おすすめな曲であり、そしてアルバムです。一聴してみてはいかがでしょうか。

 

 

3. 令和二年 amazarahi

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《とげられぬ夢 やむを得ぬ故
 恨めしく睨む空 令和二年
 封切りの映画 新譜のツアー
 中止の入学式 令和二年


今年の10曲にこの曲が入らないのは嘘だろう。ということで選ばせていただいた一曲です。
この曲はその名の通り今年を歌った曲です。
amazarashiは今年の頭にアルバムを発売し、そのリリースツアーが4月より開催される予定でした。僕ももちろんチケットを確保し楽しみにしていましたが、そのライブは2020年12月末現在、未だに行われていません。
そんなやるせない今年に抱いている思いを綴った楽曲が5曲収録された今月リリースされたEP『令和二年、雨天決行』の表題曲です。
今年を生きた全ての人に何かしら響くものがある一枚だと思いますので、是非チェックしてみてください。

 

 

 

4. Henceforth Orangestar

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《あぁ! 夏を今もう一回
 君がいなくても笑って迎えるから
 だから今絶対に君も歩みを止めないで
 あぁ! それだけの心臓が
 絶え間なくアオく光を願うから
 仕方なくもう一回
 変わらぬ今日を征くんだよ
 何度でも》

5月に公開されたOrangestarの新曲です。数々の夏の曲を書いておいてまだこんなに強い夏が描けるのかと唸りました。大サビの転調がめちゃくちゃ気持ちいいので是非大音量で聴いてみてください。

 

 

 

5. 聴いて 鹿乃

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《どうか私の言葉響いて
 どうかあなたの心で聴いて
 とても情けない話だけど
 誤解を恐れず今日は言おう

 私はあなたが描くように
 優しくも面白くもなくて
 悪魔にも天使にもなれない
 あなたが嘆くあなた自身だ》


歌い手の鹿乃さんが今年作曲家の田中秀和さんとタッグを組んでリリースしたアルバムyuanfenに収録されている一曲です。
鹿乃さん本人が自信を思いを素直に綴った歌詞になっており後半になっていくにつれ思いが大きくなっていくように畳みかけていくのがめちゃくちゃ良い。

 

 

 

6. 迷える羊 米津玄師

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《「千年後の未来には 僕らは生きていない
  友達よいつの日も 愛してるよ きっと」》

米津玄師のニューアルバム、STRAY SHEEPの収録曲。
A、Bメロと暗いメロディーでおどろおどろしい雰囲気で進んできたのにサビで別の曲なんじゃないかと思うぐらい一気に光が広がるような展開が天才すぎる。

 

 

 

7. 世界の果て CIVILIAN

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《息を吸って 自動で吐いて
 何かと手を繋ぎたがる僕らだ
 繋がっているなんて感覚が
 本当は幻想でも

 躓いたって どのみちそうだ
 後ろにはもう戻れぬ僕らだ

 君が立っているその場所の名は
 世界の果て》


CDでリリースされていないCIVILIANの東京都が主催する『アートにエールを!』の企画で投稿した楽曲です。こちらの曲も今年を生きる人たちには響く物になってるのではないでしょうか。

 

 

 

8. 躍動 坂本真綾

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《手に入れるのが勝利なら
 手放すのは敗北でしょうか
 誰も傷つかない世界
 なんて綺麗事かもしれない
 それでもまだ賭けてみたい》

Fate/Grand Order2部後期OP主題歌です。ゲームをプレイしていない人には何を言ってるのかちょっとわからないと思いますが笑 毎度、ストーリーの節目になる度に坂本真綾さんが新曲を発表するんですけど、それがストーリーに深く結びついててエモいです。2コーラス目でメロディーが変わり捲し立てるようなAメロが良いです。

 

 

 

9. 世界はファンシー UNISON SQUARE GARDEN

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《The world is fancy !》

ニゾンの今年リリースしたPatrick Vegeeというアルバムから発売前に公開された新曲。ユニゾンの曲は毎度ギミックや展開が新鮮で驚かされるのですが、これだけ長く活動してもまだ新鮮なことができるのかと度肝を抜かされました。この曲の特徴的すぎるBメロは聴いたことがないなら是非一度再生してみてください。

 

 

 

10. Sai no Kawara Crystal-z

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《順調じゃなくていいから
天才じゃなくていいから
堂々巡り 巡り 繰り返し
東京 偉大なこの街

順調じゃなくていいから
天才じゃなくていいから
堂々巡り 巡り  繰り返し
東京じゃ春は来ないし》


10曲目は話題になったこの曲。初めて聴いた瞬間「あ、この曲は今年の10曲に絶対入るわ」と確信しました。音楽で伝える、ということの新たな可能性や未来が見えた、これはもはや楽曲という小さな括りに収まらない、音楽シーンでのもはや一つの事件だと思います。僕から多くは語りません。是非、なんの先入観ももたずに聴いてください。



くすく的2020年、今年の10曲

 1. アカシア BUMP OF CHICKEN
 2. 盗作 ヨルシカ
 3.令和二年 amazarashi
 4.Henceforth Orangestar
 5.聴いて 鹿乃
 6.迷える羊 米津玄師
 7.世界の果て CIVILIAN
 8.躍動 坂本真綾
 9.世界はファンシー UNISON SQUARE GARDEN
10.Sai no Kawara Crystal-z

 

 

明日、元日も2020年を振り返る記事が上がると思います。
多分、おそらく。応援してください。