Three Months Journey.

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TVアニメ『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』第2話解説と感想。

どうも、あなたが今これを読んでいるということはとりあえず僕は毎週書くという約束が一週間は守れているということです。褒めてください。あと11回頑張ります。

さて、アバンは双葉のシュレディンガーの猫解説。といっても有名すぎる話なのでオタクのみなさんは解説なんかいらねーよと思うかもしれないですね。
しかし「なんでここでシュレディンガーの猫?」となった人はそこそこいると思います。原作だともっと丁寧に解説するのですがこのアニメの描写だけだと「それが思春期症候群となんの関係があるの?」という疑問を抱くのも無理はないと思うので補足していきます。
重要なのは麻衣に今起こっている現象の正体についてです。
麻衣に今起きている現象は周りから認識されなくなっているというものです。麻衣は存在が消えているわけではありません。確かにそこに存在はしているのです。ただそこにいるのにそれが認識されないという状況にあります。
猫が半分生きていて半分死んでいる状態なんて現実的に考えてありえません。かならず生きているか死んでいるかどっちか片一方の事象だけが世界に存在しているはずです。しかし残念なことに箱を開けなければ私たちはそれを《確認》できません。
同じように咲太の世界に麻衣が存在しながら他の人間の世界に麻衣が存在しないつまり半分存在して半分存在していない、なんて状況はありえません。麻衣は確かにそこにいます。でもそれが《確認、認識》できていないだけ。なのでもし仮に次の瞬間麻衣が咲太含め人類全員から認識されなくなっても、そこにいるという現実は消えないのです。
でも、それが認識できていなければ存在していても存在しないことと同じことになってしまう。つまり《現実》というものが捻じ曲げられてしまう。
そんな馬鹿げた話があるんだよ。ということを伝えるため双葉はシュレディンガーの猫と観測理論を引き合いに出したのです。
おそらく麻衣の思春期症候群は《存在感》というものに対して効力を発揮していると仮定できます。
(原作でも明確に解説されているわけではないので憶測を含んでいます。ご了承ください。)
スーパーのシーンで麻衣が持った人参が他人から認識されなくなっているのは、『人参が宙に浮いている』という麻衣の存在を《証明する》現象が認識されなくなっているということです。そもそも麻衣の今、着ている服が他の人から見えなくなっているのもそのためです
なので《咲太》という麻衣とは違う《別の存在》を他人の認識から消すことはできないので抱きつかれた咲太は他の人からも見える。ということだと思います。
なので実際どうかはわかりませんが仮に麻衣さんが紙にボールペンで文字を書いたとしたら実際は紙にインクが付着しているがその文字は麻衣さんの存在を証明してしまうものなので咲太以外には見えないという現象が起こると推測されます。なのでもしその紙が保管されたまま時間が進んで麻衣の思春期症候群が治ると真っ白に見えていたはずのその文字は他の人間にも見えるようになる。のかもしれません
。(憶測終わり)(鴨志田先生がどこまで考えてるかは流石にわかりません)

麻衣が活動休止した理由の話。まだ子供だったのに大人たちの中で『あの桜島麻衣』として仕事をしてきた麻衣は大人じゃないのに大人として振舞わなきゃいけなかった。自分を商品としてしか見ていなかった母への復讐として麻衣は『あの桜島麻衣』を辞めた。でも《仕事》を辞められても『あの桜島麻衣』をやめることは《世間》が許さなかった。どこを歩いても『あの桜島麻衣』だと指を刺された。
でも麻衣は《仕事》を辞めたかったわけではないと、咲太は見抜いていたわけですね。母に復讐したかっただけなのに、麻衣は自分の大切だと思っていたことも同時に手放してしまった。
そんな麻衣の本音を聞き出すために咲太はわざと麻衣の感情を逆撫でするような言動をしてビンタを食らう。さすがにビンタを食らうところまで想定していたかどうかはわかりませんが……。そして咲太はあっけなく麻衣に情報の出どころを吐かされます。主導権を握ったと思ったらすぐに奪い返される関係性がとても良いと思いますね。いやどっちかというと普通に麻衣が主導権持ちっぱなしですが。
咲太は胸の写真を提供することによって困るのは自分だけだと思い胸の傷の写真を提供しましたが、芸能界で活動してきた麻衣は咲太以上にマスコミの怖さを知っています。もちろん咲太は文香にはかえでのことは伏せていますが、麻衣はたとえそれでもかえでに迷惑がかかる危険性があると咲太に伝え、文香の連絡先を引ったくり自分の芸能界復帰のスクープを提供する形で咲太からは手を引いてもらうように取引をします。やっぱ麻衣さんかっこいい。
結局麻衣は咲太の小細工や文香の事情なぞ関係なしに芸能界復帰を決意していたんですね。そして咲太は世界なんて勝手に回っているんだなぁと思い知ります。でも実際咲太の存在は麻衣の支えになっていたのは言うまでもないですが。そして頑張った結果なのかどうなのか咲太は生まれて初めてのデート(仮)の予定を取り付けます。やったな童貞咲太。パンツはどうせ見られないから真剣に選ぶ必要はないぞ

翌朝、デート場所まで向かう咲太の前には公園で一人きりで泣いているロリ……じゃなくて少女を不審に思い近づいて声を掛ける。事案って言うな。案の定迷子だったのでナチュラルにお母さんを探そうと提案する。いやロリコンじゃねぇから。
そしてそこに足蹴りとともに現れたのは古賀朋絵。少女が襲われる中迷いなく不審者を攻撃できる勇気は素晴らしいが普通に朋絵の身が危ないので辞めてほしい。この子に関してはのちのち語ります。
ちなみに原作では咲太は最初は当然弱く蹴って古賀に「そんなんじゃ足りない!」と怒られて結局2度やり直しさせられ3回蹴ってます。アニメは尺の都合だろうけどいきなりフルスイングで蹴ってるから若干サイコパスに見える……。

そして無事(無事?)麻衣との待ち合わせに遅刻した咲太は律儀に待っていた麻衣を偽物認定しさらに怒らせる。なんとか許して貰えた(かは定かではないですが)咲太は牧之原翔子について語ります。
咲太が牧之原翔子に出会ったのは咲太が中三翔子が高二の時です。かえでの件で誰も信じて貰えず助けてくれなくて八方塞がりだった時に、咲太を言葉で救ったのが峰ヶ原高校の制服に身を包んだ牧之原翔子。病院送りの件で住んでいる場所を離れなければならず咲太は翔子がいるこの学校を受験しました。しかし通い始めて峰ヶ原高校に牧之原翔子なんて生徒は存在しないことが発覚。咲太が入学してきたときは翔子は高校三年生のはずで、転校したことを考慮して3年生のクラスを回っても誰も翔子なんて女生徒の存在は知らず、過去三年間の卒業アルバムを調べてもその姿は確認できませんでした。つまり最初から峰ヶ原高校には牧之原翔子なんて生徒は存在していなかったということになります。そうして咲太の恋は儚くも散っていったわけですね。
でも咲太は確かに事実として七里ヶ浜で牧之原翔子というお姉さんに会って救われています。それは咲太の記憶に焼き付いてます。一体どういうことなのかは、来年公開の映画『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』を見ましょう。いやそんなに待てないって人はぜひ原作を買いましょう。めちゃくちゃ面白いので。いや、まじ原作読んで。

そして七里ヶ浜での麻衣とマネージャーである母親のシーン。ついに肉親にまで思春期症候群の影響が及んでしまいます。
ここはゾッとする演出がとてもいいですね。いや麻衣にとっては全然よくない状況ですが。
当然差出人がわからないメールのために忙しい芸能マネージャーが予定を開けるわけがないので、20日、つまり5日前麻衣が母親にそのメールを出したときは少なくとも母親は麻衣の存在を認識していました。だから無理やり予定を開けていたわけですね。でも日が明けて七里ヶ浜に来るまでの間に母親は麻衣を認識できなくなってしまいました。

その後どうにか麻衣を一人にしないように咲太は遠くまで行こうと提案します。電車の中で咲太のイケメンっぷりがとても好き。こういう風に今自分がこうしたいと恥ずかしがらず素直に誰かに伝えられる主人公、最近は全然いないですよね。咲太はヒルに斜に構えてる訳でも交友関係をないがしろにする人間でもなく純粋に大切な人を大切にするために色んな決断ができる主人公です。ニコニコのコメントでは1話の時点では痛いテンプレラノベ主人公と言われまくってますがこれから話が進んで咲太の人間性と向き合って行くうちにどんどんその枠からは外れていくことでしょう。咲太は焼き回しなどではなく全く新しいタイプの主人公です。

話を戻します。さて、大垣まで来たものの残念ながら結局誰にも麻衣の存在は認識されず、当然麻衣がビジネスホテルの部屋を借りることはできません。なので咲太が借りた部屋で二人で過ごすことに。麻衣がシャワーを浴びている間、咲太は友人を助けを請うため国見に電話をします。「助けてくれ」と一言言っただけで深夜の電話だというのにすぐに「何すりゃいいの?」と聞いてくれるイケメンすぎる国見。もう国見と付き合えよ。いや彼女いるからダメか(そういう問題じゃない)ダメ元で聞いてみるとなんと国見は麻衣を覚えています。双葉にも電話で確認しやはり覚えている。肉親すら忘れていたのに。つまり双葉のいうように『峰ヶ原高校』に麻衣の思春期症候群の原因があるかもしれないということ。
ここの双葉の「前に国見が言ってたよ『ありがとう』と『ごめん』
と『助けてくれ』を言えるのが、梓川のいいところだって」ってセリフがめちゃくちゃ好き。原作だとここで咲太が「国見と双葉にしか言わないぞ」と返しているのですがカットされてて悲しい。あとニコニコのコメントで麻衣とのデートに遅れたとき謝らなかったじゃん。とコメントがありましたが事情説明している時にちゃんと誠心誠意謝ってるのでアニメではその描写がカットされてるだけです。
この後コンビニに下着を買いに行きますが当然店員からは麻衣が見えてないので咲太が一人で女性モノの下着を買ったようにしか見えてません。しかし咲太は普段から外に出られないかえでの代わりに生理用品や下着を買っているので感覚が麻痺して特に何も気にしてません。最近はむしろ店員の反応を見て楽しんでいるらしい。『さすが梓川、ブタ野郎だね』

一緒にベッドに入ってるのは最初は床で寝ようとした(かは定かではないですが)咲太をかわいそうに思って何もしないという約束で隣で眠るのを許可した結果です。責めないであげて。

 


とまぁ2話はだいたいこの辺りでしょうか。ブログ書くのに二日間かけてるんじゃないよ。まったく先が思いやられる。色んなところで青ブタ面白いじゃんという声が多くてとても嬉しいです。これからもどんどんどんどん面白くなっていくのでどうか青ブタをよろしくお願いします。マジでよろしくお願いします。原作もコミカライズもぜひ買って読んでください。とくに原作は読んでほしい。アニメはちょっと尺が短くて駆け足気味なので……。

では、次は三話放映後に。